何なんだこのブログは文章は私は人生は世界は

21日に引っ越しをする関係で夏休みの弟を連れて引っ越しの準備のために昨日から自分の家へ戻ってきた。

 

今日は朝イチで病院だった。家を出ると雨が降っていた。私はリュックから折り畳み傘を取り出した。ベランダに目をやると弟が窓から顔を出し手を振っていた。その後すぐに夜中に干した洗濯物の存在に気づいて手を振る弟に「洗濯物!取り込んでおいて!」という意味のジェスチャーをした。自分でもかなり曖昧な感じなジェスチャーだと自覚していたから理解してくれるか心配だったが弟は察してくれたようで慣れない手つきで洗濯物を一枚ずつ洗濯バサミから外し始めた。それを確認した私はようやく手に持っていた折り畳み傘をさして駅の方へ振り返って歩き始めた。

 

 

病院が終わって買い物をして帰ってきたのはお昼くらいだった。家のドアを開けるとすぐに食事臭がして「あぁ、あれからご飯適当に食べたんだな」と分かった。そのあとに「そういえば洗濯物どうなってるかな」と思って、買い物袋とリュックをとりあえずで下ろすためにリビング兼寝室のドアを開けた。弟が私のベッドに寝っ転がり冷えた部屋の中で毛布にくるまりゲームをしていた。それを目で確認しながら荷物を置いて手洗いうがいをしに脱衣所へ行く。脱衣所のドアを開けるともわっとしたあったかい空気を全身で感じた。風呂場に目をやると洗濯ピンチが風呂場の竿にかかっていた。よく見ると昨日の夜に私が干した干し方とは違う感じで洗濯バサミに挟まれて並んでいた。手洗いうがいの後にまたリビングへ戻ってみると空っぽの棚の上に私の服がぎこちない形で畳まれてあった。床には畳み方に困ったのか途中で辞めたのか、私のズボンが横半分に折られた形で置いてあった。私はいろいろ見た後に「洗濯物あれから大丈夫だった?全部は乾いてなかったでしょう?お風呂場のアレすごいね、浴室乾燥したんだ?頭いいね、まーくん、料理もできるし洗濯もできるしもう今からでも一人暮らしできるじゃん!!同い年の女子よりまーくんの方が家事できたりするかもね。」と私は感心を一度に漏らした。帰宅早々よく喋る姉を目で諭すような感じで「このくらい家にひとりで居たら覚えるし、人は暮らす場所とお金があれば生きていけるんだよ。」と褒められてあからさまに嬉しそうにはしなかったものの、その口調と浴室に干された洗濯物が乾いているのを確認したあと洗濯ピンチを竿から外す弟の後ろ姿には自慢げな感じと照れ臭さが混じっていたように映った。母に伝えるために洗濯物の写真を撮った。母はびっくりするかも。

そんな一面もあるけど、留守番の間、荷造りに使っていたカッターをポケットの中にずっと忍ばせていて物音がしたらカッターを取り出して警戒していたらしい。そんな一面もある。あとよく寝る。今も寝ている。身長伸びろー。

 

 

せっせと荷造り。今のうちに何か段ボールにしまえるものはないかと家中をウロウロしていた。3月に越してきたばかりの家だったけど思い出したことは沢山あった。沢山と言ってしまったけどそのほとんどが泣いた記憶だった。キッチンで絶望感に襲われ膝から崩れ落ちキッチンマットに頭をつけて泣き喚いたこと。湯船に浸かりながら熱った顔を涙がやけに存在感をもって頬を流れているのを感じたこと。ベッドで溝落ちあたりが張り裂けそうになりながら夜中にずっと唸り泣いていたこと。自分を鼓舞するつもりで作った夕飯を薄暗い部屋のテーブルに置いて写真を撮ってから食べてしくしくと泣いたこと。テレビに映る好きな人の姿が涙でだんだんとぼやけていく視界。
部屋のあちこちで過去の私が泣いていた。

私だけが知っている。

 

 

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